カテゴリー 変わる海辺・水辺 の記事一覧
- 2009/09/21 水辺のマジックDESIGN EAST
- 2009/09/11 ■ 水都大阪:アヒルちゃん川の風景を変える
- 2009/08/09 花火の間合い
- 2009/07/29 川の駅ーはちけんや(八軒家浜)
- 2009/07/14 惹かれる本「海岸線の歴史」
» 水辺のマジックDESIGN EAST

DESIGN EAST(9/18~20)の最終日に行って来た。知人の若者?たちが企画した「都市とデザインを考える3日間」という展示とトークプログラム。会場は、堂島川沿いの「中之島駅」に接した工事中の展示施設。川沿いにデッキが続き、会場から溢れた人々がモニターを見ながら話が聞ける仕組み。
好天のもと、川風に吹かれながらビール片手に、同行の友人と話に突っ込みを入れながら聞けるのもナイス。今までなかったサイコーに贅沢な環境。目のしたは川がゆったり流れ、クルージング船が行き交っている風景も見える。都心に川があることがこんな形で生かされるのは、まだまだ大阪も捨てたものではない。と久しぶりに心が弾んだ。
かなり短時間で立ち上げた無謀なイベントと聞いていたので心配していたが、参加者で溢れかえり、くつろぎながら楽しんでいる様子はなかなかいい感じ。無謀でもトライしようとする意気込みを見るのはなにより嬉しい。で、内容は?ま、最初ですから。
» ■ 水都大阪:アヒルちゃん川の風景を変える

水都大阪が始まってから、通勤ルートが変わった。今まで土佐堀通りを歩いていたのが、天満橋から八軒家浜の船着き場を経由する川沿いの遊歩道を使っている。水のある風景を毎朝眺められるのは幸せだ。(整備のデザインのことはさておき)
先日、一夜にして川の風景が変わっていた。大きなアヒルちゃんが川に登場。オランダのアーティストの作品で、大阪とオランダの交流150周年を記念したものという。見慣れた川のスケール感が変わり、何ともいえない「あほらしさ」が実にいい。水辺の文化座を含め、アート系の作品&プログラムにものたりなさを感じていた私は、ちょっとほっとした次第である。
アヒルの横を船が頻繁に行き交う風景もとてもいい。もっともっと水辺に近づき、水の上から町をみれば大阪の未来を考える眼差しが変わることが水都大阪の本当の目的では。
» 花火の間合い
天神祭の花火は、新事務所の前から見えるかと思ったが音のみで見えずこれはハズレ。
「びわ湖花火」(8/7)は、今年は湖面が無風状態で煙が立ちこめスッキリ花火が見えず。不景気のせいか例年より小振りなものが多く寂しい気分に。それでも渾身で打ち上げられるフィナーレの花火群が頭上いっぱいに広がり消えて行くさまは「夢のよう」としか言えない。毎年ながら感動のため息と大きな拍手がわき起こる。
翌日(8/8)は淀川花火。これは知人の事務所の夏祭りイベントに参加も兼ねて。
こちらは少し距離のある場所からの鑑賞。不景気とはいえ2万発。ひっきりなしに大型の花が夜空に咲く。でもため息はでない。
夜空にヒュルヒュルと音がして花が咲き、ひと呼吸おいてド~ンと空気を揺るがす音がするあの間合い。その余白が好きだ。淀川花火は立て続けで打ち上げられる。息もつかせぬ迫力だが、次は何がでるかなと想像する余白や間合いがない。
それがなんだか寂しい。花火も時代を反映しているのだろうか。
» 川の駅ーはちけんや(八軒家浜)

(上記「川の駅 はちけんや」天神橋より撮影)

この見学会で目についたのが、大林ビルの北側、天神橋の東西に2棟ある空調施設に化粧を施すための模型。(写真)
まさに事務所の真ん前。ここから見える管理施設の不細工さを引越当初から嘆いていただけに、このデザインが目になじむのかどうか???
それにしても1階店舗の再現模型には敬意を表したい。
閑話休題。
天満橋と天神橋の間に整備された八軒家浜。
平安時代末期に始まった「熊野詣で」で、京都からの舟運の際に降り立つ船着き場だった。
「川の駅 はちけんや」は公園とあわせて床面積約1,350m2の施設。1階にレストラン、川沿いのB1階には、観光船案内所と情報発信施設が入る。

しかし、残念なことにと言うべきか、中之島一帯の再整備の監修は安藤忠雄さんがされているはずだが、この施設は安藤色の薄い施設だなあと感じた。(京阪中之島線のなにわ橋のようなイメージを期待していたのだが)
ランドスケープとの調和をはかり低く抑えたという建物の“重厚な”瓦屋根、コンクリート打ちっぱなしの柱に施された化粧木材、壁の色、素材の使い方、設置物(椅子やプランターなど)…全体的にしっくりこない。



地下1階、観光船案内所と情報発信施設。

「川の駅」とあるが、実際の八軒家浜の乗船場は天満橋にあり、ここから船の乗降はしない。(「川の駅」は全国初らしい。単に名称だけの話?)
また、国土交通省の情報発信施設は利用内容が決まっていないと設計者が明かしており、ソフトが後手に回っている。
レストランはウェディング利用を想定しているらしいが、この施設全体が“川に向かう”単なるハコモノ整備に終わらないよう、今後の有効利用に期待したい。



ともあれ、天満橋から天神橋までの大川沿いは水都2009が始まるまでに整備される。
天神橋のたもとから、変わりゆく水辺と人との関係を、逐次発信していきたい。(R記)

» 惹かれる本「海岸線の歴史」
先日の朝日の書評で紹介されていた。実は、仕事から解放されたら日本の海岸線を回ってみたいなと考えていたからだ。海辺やみなと関係の仕事を長く(といってもたかだか10年にもならないが)してきたこともあってこの種の話題には目がゆくが、意外に文系の本が少ない。
書評がハズレでなければ、かなり期待できそうな予感がする。
さて、明日の「HARUKI LOVER」の読書会がすめば、スイッチ切り替えますか!