07月の記事一覧
- 2009/07/29 川の駅ーはちけんや(八軒家浜)
- 2009/07/28 天神祭スペシャル
- 2009/07/27 1Q84読書会を振り返って
- 2009/07/16 音楽から読み解く1Q84読書会
- 2009/07/14 惹かれる本「海岸線の歴史」
- 2009/07/13 妄想農場Vol.3 天神祭スペシャル
- 2009/07/09 水都大阪!水辺の文化座建設中
- 2009/07/02 妄想農場Vol.2 春樹妄想:1Q84読書会
» 川の駅ーはちけんや(八軒家浜)

(上記「川の駅 はちけんや」天神橋より撮影)

この見学会で目についたのが、大林ビルの北側、天神橋の東西に2棟ある空調施設に化粧を施すための模型。(写真)
まさに事務所の真ん前。ここから見える管理施設の不細工さを引越当初から嘆いていただけに、このデザインが目になじむのかどうか???
それにしても1階店舗の再現模型には敬意を表したい。
閑話休題。
天満橋と天神橋の間に整備された八軒家浜。
平安時代末期に始まった「熊野詣で」で、京都からの舟運の際に降り立つ船着き場だった。
「川の駅 はちけんや」は公園とあわせて床面積約1,350m2の施設。1階にレストラン、川沿いのB1階には、観光船案内所と情報発信施設が入る。

しかし、残念なことにと言うべきか、中之島一帯の再整備の監修は安藤忠雄さんがされているはずだが、この施設は安藤色の薄い施設だなあと感じた。(京阪中之島線のなにわ橋のようなイメージを期待していたのだが)
ランドスケープとの調和をはかり低く抑えたという建物の“重厚な”瓦屋根、コンクリート打ちっぱなしの柱に施された化粧木材、壁の色、素材の使い方、設置物(椅子やプランターなど)…全体的にしっくりこない。



地下1階、観光船案内所と情報発信施設。

「川の駅」とあるが、実際の八軒家浜の乗船場は天満橋にあり、ここから船の乗降はしない。(「川の駅」は全国初らしい。単に名称だけの話?)
また、国土交通省の情報発信施設は利用内容が決まっていないと設計者が明かしており、ソフトが後手に回っている。
レストランはウェディング利用を想定しているらしいが、この施設全体が“川に向かう”単なるハコモノ整備に終わらないよう、今後の有効利用に期待したい。



ともあれ、天満橋から天神橋までの大川沿いは水都2009が始まるまでに整備される。
天神橋のたもとから、変わりゆく水辺と人との関係を、逐次発信していきたい。(R記)

» 天神祭スペシャル
天神祭本宮、天神祭の人出を窓から眺めながら、とりとめないおしゃべり&ちょっぴり花火見学&水都談義のひとときを過ごした。




7時過ぎ、歩行天国になっている天神橋に人が溢れ始めた。
メイン会場の混雑を避けて、花火見学に来た人達だ。
音がし始めてから出てみたが、花火の上の一部が見えるだけ。
それでも混雑はしばらくと続いた。
(写真左から、歩行者天国になった天神橋、通行止め、集まり始めた人々、水辺の文化座会場)

8時過ぎに、水都大阪2009のアートディレクター寺浦さんが駆けつけてくれた。
全部で100点以上の現代アート展が行なわれる。そのすべてをパワーポイントで紹介いただいた。
水辺での開催はかなり縛りがあり、日々規制との格闘らしいが、前例なき事実の積み重ねは必ずしも今後の継続への約束にはならないらしい。
こじんまりまとまって目的を見失わないように頑張ってほしい。
個人的に興味深い作品(パフォーマンス)は、
・池上恵一+真下武久/マッサージアート(なごめる、いやされる)
・キスヒサタカ/みんなと一緒に「水都体操」!(出勤前の定番になるとおもしろい)
・ビッグビッグバンド/誰でも参加できる100人規模のバンド「ビッグビッグバンド」!(今回は是非鳴り物持参で参加したい)
・山村幸則/「銀杏男」「銀杏女」、現る!(御堂筋が違う次元で見えてくる)
・木村崇人/木もれ陽プロジェクト(木もれ陽観察は先日の皆既日食で脚光を浴びた。どんな作品が自然と対峙するのだろうか?)
・ヤノベケンジ(作品展示もラッキードランゴンからも目が離せない!)
※水都アート回廊の会期:2009年8月22日(土)~10月12日(月・祝)
詳細は、
http://www.suito-osaka2009.jp/corridor-other/art-kairou/index.html
(R記)
» 1Q84読書会を振り返って
(参加者のみなさま、後半はお酒も入りかなり酔っぱらっていたので、ポイントがずれていたら「コメント」欄で訂正お願いします!)
■参加者の皆さんと春樹小説について
・Sさん:小説に登場する音楽との関係を徹底分析。詳しくは別途ご紹介。
・Kさん:春樹の小説は全部読破。「風の歌を聞く」が好き。清水良典氏の春樹論はおもしろい。
・Iさん:1Q84は、春樹の初めての大衆向け小説。大衆=目に見えない大きな力。クンデラー「裏切られた遺伝子」、小川国夫「生のさなかに」などの著述との比較。
・Wさん:初めて読んだのが「ノルウェイの森」。何度も読めるおもしろさがある。「羊をめぐる冒険」も好き。「1Q84」はアンソロジー。春樹小説の追体験ができる集大成。
・Oさん:1984年4才だった。「ノルウェイの森」「羊をめぐる冒険」を読んだ。春樹に関しては内田樹先生の影響を受けすぎてるかも。
・Yさん:春樹はほとんど読んだ。「1Q84」時間の流れがいびつ。1巻(4月-6月)第24章に「七月も半ばを過ぎたというのに」という表現がある。
・Hさん:「世界の終わりと・・・」から始まっていくつか読み、「ノルウエイの森」で離れ、「走ることについて僕は語る」「村上春樹、河井隼雄に合いにいく」あたりから再
開。以後、ルックjバックして主な作品は全部読んだ。「海辺のカフカ」もお気に入り。
・R(私):「ノルウェイの森」「アンダーグラウンド」共に完読できずブックオフに出した。何だか辛くしんどかった。「1Q84」=1984年をについて look backしてみた(後述)。キャスティングをイメージできなかったのが青豆。参考資料:ジョージオーウェル原作の映画「1984」のパンフレット。
■「2つの月」「リトルピープル」をどう読んだか?(という問いから、とりとめなく色々なコメント)
・キーワード:大衆、システム、顔が見えないこと
・相手は誰か:親、男女。最後に和解するのは「海辺のカフカ」につながる。
・青豆、柳屋敷の女主人:ジョンアーヴィングの「ガープの世界」「ホテルニューハンプシャー」を彷彿とさせる。意図的な破綻。
■印象に残ったメタファー
・Yさん:1巻 p.141、沈黙のたとえ「冥王星のわきをそのまま素通りしていった孤独な惑星探査ロケットみたいに。」
・Wさん:2巻 p.108、菜食主義の猫の話。
・Kさん:「ふかえり」の描写。サービスショットが上手い!2巻 p.301「彼女の乳房はみごとに完全に半球を描いていた。」
・Iさん:集金人の父親の描写。説明しないとわからない。説明しても意味がない。
・Sさん:2つの月と激変する青豆の顔、2つあることでバランスを保つ。スィッチを切り替える時に使われている。オールズバーグに通じる、みんなが納得するアレゴリー。
・R(当日発言していませんが):青豆が乗ったタクシーの運転手「日常の風景が違って見えても事実はひとつ」。チエーホフ、サハリン島のギリヤーク人の話、「小説家は問題提起する人」というチエーホフの定義。「リトルピープルが持たないものを持つ」。
■1984年という年について(R)
・オウム心理教の前身オウム神仙の会設立
・グリコ森永事件
・有明鉱坑内火災
・ロサンゼルスオリンピック/サラエボ(ユーゴスラビア)冬期オリンピック
・新札発行
・流行語「くれない族」「ピーターパン症候群」「ヤッピー」
・ベストセラー「愛のごとく」上・下(渡辺淳一)
・FRIDAY[講談社]創刊
・日本映画「お葬式」「風の谷のナウシカ」
・ヒット曲「飾りじゃないのよ涙は」(中森明菜)
・初代Macが世に出た日
※MacのCM・YouTube
http://www.gizmodo.jp/2009/01/1984macintoshcm.html
» 音楽から読み解く1Q84読書会
集まったHARUKI LOVERは、主人公の天吾と同年齢の編集者からハルキ作品は全部読んだという30代のK市の公務員、ハルキと同窓生の60代のランドスケープデザイナーなど世代も仕事も多種多様な面々8名。
今日のナビゲーターは新聞記者でクラシック音楽を専門にしているSさん。マイコレクションから1Q84に登場する音楽と、「1Q84の音楽~ヤナーチェックとバッハを中心に」の資料をバッチリ用意していただいての幕開け。これがまた凄くて、内容濃厚でありながらわかりやすい解説。さすが、さすがです。
ハルキの作品には今までも多々音楽との関係が登場してきますが、実際に聞いているものは少なく何となくのイメージで読んでいたのが、具体的に聴きその意味を知るのと知らないのではこんなに違うんだと改めて実感。ヤナーチェックをはじめ、音楽家の生きた時代や出身地の風土の解説も含めて聴くと、違った風景として小説が立ち上がってきてもう一度読んでみようという気になる。
「音楽から読む」を入り口に、参加者それぞれのハルキ体験告白。ハルキの小説は17歳体験から脱していない、つまるところエンターテイメントだ説あり、リトルピープルと大衆論、パシヴァ、レシヴァを歴史と個人の問題に読み解く説有り。ふかえりと平家物語の関係、ハルキ小説のシステム論あり。
BOOK1とBOOK2のタイトル時間と章の中にでてくる時間のズレの発見など、それぞれの読み方のポイントの違いに唸ることばかり。とてもとても紹介しきれない豊富な話題に沸き立った時間でした。
最後に、MACの発売が1984年であることに気づき、見つけてきた当時のアップルのCMや映画「1984」のリーフレット(ナンと保存のいいこと!)を見たりでまた盛り上がり。
話し尽きない夜となりました。
翌日、妄想農場読書部つくろうよとの提案も来て嬉しい限り。これは早速呼びかけることにしよう。こんな場が生まれることがまさに文化農場の願いだから。
» 惹かれる本「海岸線の歴史」
先日の朝日の書評で紹介されていた。実は、仕事から解放されたら日本の海岸線を回ってみたいなと考えていたからだ。海辺やみなと関係の仕事を長く(といってもたかだか10年にもならないが)してきたこともあってこの種の話題には目がゆくが、意外に文系の本が少ない。
書評がハズレでなければ、かなり期待できそうな予感がする。
さて、明日の「HARUKI LOVER」の読書会がすめば、スイッチ切り替えますか!