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文化農場記

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2011/07/05 Tue  18:25:30 » E d i t

 » ウメサオタダオ「情報の文明学」を読む 

なんというヒトだろう。50年前にこんな予想をしていたとは。昨年亡くなられた知の巨人「ウメサオタダオ」の展覧会の展示企画を担当されたキタムラアキラさんをナビゲーターに「情報の文明学」を読むという贅沢な会になりました。まずは展覧会を巡る話を少々。
「忘れるために記録する」と言われていた記録魔。その積層され、整理が行き届いた情報があったために、準備が短期間だったにもかかわらずサクサクと企画から展示作業ができたこと。展示空間は明快・簡潔で誰でも理解できる言葉で表現された思想の森を探検するイメージで構成されているとか。
 
 京大式カードによる記録/整理は、情報を「他者も共有・共用する」ことを念頭に置かれていたこと、自分の行為を客観視し、自分の位置を確認するためでもあったという。生涯にわたって続けられたこのシステムは、「回り道を恐れないポジティブな発想」の土壌を作っていたのでは。
さて本題の情報の文明学。ウメサオさんの情報に対する解釈、態度で特に参加者の共感を呼んだのは、
情報を「こんにゃく」「お布施」「ふりかけ」でとらえていること。特に「自分の納得で価値を決める情報お布施説」や「情報は受け手自身が欲しいものを引き出すもの」、CPUについて触れていないのは、意図的だったかどうか分からないが、今でも古さを感じさせないポイントになっている。他者の資料より自分の体験から世界を理解したウメサオさん、視力を失った後で、何でもネット検索でコト済ます現代をどのように見ていたか、反論したか聞いてみたかったなあ。
 また「アマチュア思想家宣言」に見るように、“市民には知的センスがあるはず“との思いを民博の展示にも反映し構造展示にしたこと、自身の研究対象に「ヒエラルキーのない群れ」を選んだことにもつながっているが、ここには「みんなのため」が「クリエイティビティの弱さ」にも通じるのでは、などのコメントも。いずれにしても一人でこんなに広く大きい世界を見通した巨人は、当面でないだろうな、残念だけど。(はしもと)
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»コメント

この記事へのコメント
ありがとうございました
初参加のキタムラです。要領を得ないナビゲーターで申し訳ありませんでした。でも、橋本さんの独自の視点からの読み解きはもちろんですが、大学教授、新聞社の次長さん、企業のメセナ担当のかたと、それぞれの立場からの梅棹忠夫へのアプローチが興味深かったです。

ウメサオタダオ展は、11月~来春にかけて東京の日本科学未来館へ巡回することになりました。地球人を名乗る毛利衛館長のもと、地球的視点で人類の未来を考える展覧会にバージョンアップする予定ですので、民博でご覧になった方も見損なった方もぜひご覧ください。
http://www.miraikan.jst.go.jp/sp/tsunagari/

8月の読書部はゲンパツ本ですか。本もいろいろ出てますけど、私は20年以上前に今回の事故を予言していた忌野清志郎の「サマータイムブルース」に一票入れます!
http://www.youtube.com/watch?v=aJdMa1VI0do&feature=related
2011/07/05 Tue 19:07:22
URL | キタムラアキラ #8iE9z5zI Edit 
読書会に参加できませんでしたが、ウメサオタダオ展は観に行きました。展示手法が人を惹き付けたと思います。
次の開催が日本未来館とは、何か暗示を感じます。

忌野清志郎は大ファン、
そうですね、原発を歌ってましたね。
原発に関しては思うところがありすぎます。原発本は何を読むか、誰を読むかよりも、複数の読み比べが重要な気がします。
現場で語りたいですね、このテーマは。そう、福島で!
2011/07/05 Tue 23:48:10
URL | KOBAYASHI #- Edit 
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